講座レポート

主催事業 2014年度 男女共同参画週間事業 地域を元気にするとよなか女子力
「わたしの居場所、あなたの出番!」を実施しました

実施日

2014年6月29日(日) 14:00~16:00

講座紹介

「男女共同参画社会基本法」の公布・施行日である平成11年6月23日を踏まえ、6月23日から29日までの1週間を「男女共同参画週間」として、様々な取組を通じ、男女共同参画社会基本法の目的や基本理念について理解を深めることを目指しています。 すてっぷでは、6月29(日)に講座「わたしの居場所、あなたの出番!」を実施し、約60人の参加がありました。

◆講座プログラム◆
  1. 基調講演「地域を元気にする居場所づくり、出番づくり」
     講師:吉富志津代 (FMわぃわぃ代表理事)
  2. 実践報告「地域を元気にするとよなか女子力」
     報告:勝部麗子(豊中市社会福祉協議会事務局次長)
  3. グループワーク「わたしの居場所、わたしの出番」
     ファシリテーター:伴野多鶴子(豊中市地域教育協議会連絡会会長)

会場風景 1、基調講演「地域を元気にする居場所づくり、出番づくり」

阪神・淡路大震災の救援活動として多言語コミュニティラジオ局を設立した吉富志津代さん(FMわぃわぃ)は、東日本大震災の支援で関わったマイノリティの女性たち「兵庫ラテンコミュニティ」「バヤニハン交際友の会」という2つのグループの活動を紹介しました。 「兵庫ラテンコミュニティ」は、東日本大震災発生直後からスペイン語で電話相談を開設し、フェイスブックでスペイン語の情報を発信しました。これはスペイン語を使う在日の人たちの心強い味方となりました。宮城県女川で暮らす一人のスペイン女性は当初避難所で泣いてばかりいましたが、自分の被災体験を電話で話すなかでいやされ、元気になって現地からスペイン語で被災地レポーターの役割も果たすようになりました。 「兵庫ラテンコミュニティ」のリーダーは、「今起こっていることを正しく伝え、そして今何をすべきかを伝えなければと思う。私も阪神・淡路大震災を経験した。復興にはみんなの支援が必要と実感した。一人でも多くの人がより良い暮らしができるように支えていきたい」と語ります。

会場風景

「バヤニハン交際友の会」は、フィリピンから東北に嫁いだ女性の会です。被災した不安から、「母国語を話す人と話したい。それなら自分たちの言葉、タカログ語でラジオをつくろう!」とラジオ番組をつくりはじめました。気仙沼の市内にある災害ラジオで彼女たちの番組が流れています。自分の被災体験を自分の言葉で話し、集ってフィリピンの料理をつくったりもします。また日本語を学び介護ヘルパーの試験に合格し、働いている人もいます。地域で「ここでは自分らしく過ごせる、ここがリハビリになった」と居場所が彼女たちを元気にしました。 受け身ではなく自分たちで行動して助け合う。つながることで、心のストレス、不安から解放される。このようなサイクルをつくることで、彼女たちが発信したことが「そうか、日本人もそうしてみればいいかも」と地域住民への気づきにつながることもありました。 誰もが社会に参加するためには、いろんな人がいろんな体験を一緒にするなか、「そうだったのだ、その方がいい」と実行につながり、施策やルールに反映され、このプロセスを積み上げることで社会が変わっていきます。排除されやすい人たちに視点をおいて社会を考えることが成熟した地域社会につながると思います。


2、実践報告「地域を元気にするとよなか女子力」
会場風景

勝部さんは、豊中市社会福祉協議会(以下、社協)を中心とした豊中市の女性たちの活躍を紹介しました。勝部さんはCSW(コミュニティソーシャルワーカー)の活動を描いたNHKドラマ『サイレント・プア』を監修しました。 ドラマ『サイレント・プア』には、ごみ屋敷、ホームレス、ひきこもり、マイノリティなどの現代社会の抱えるテーマが取り上げられています。社協は20年前から自分からSOSを出せない人を見つけ住民のみなさんと一緒に解決してきました。 20年前、社協の活動を大きく変える転機となったのは阪神淡路大震災でした。それまでは男性が中心となって、敬老会や餅つき大会など地区の行事を中心にやっていました。これではなんとなく地域の人を見守ることはできますが、「Aさん、Bさん、Cさん一人ひとりを見守れるか?地域で排除されている人と一緒に考える組織となっているか?」というと、福祉を専門としていないこともあり、福祉的な観点で支えるのが難くありました。 そこで地域福祉ネットワーク活動として地域で一人ひとりを見ていく活動を提案しました。小学校区ごとにボランティア部会をつくってボランティアをさがしてみると、女性の参加があり、女性の力が発揮されるようになりました。 女性のきめこまかな対応によって、それまでSOSをだせなかった高齢者、障害者、外国人の人たちの存在を見つけ、そこからCSWにつなぐというシステムをつくっていきました。地域の住民レベルで支援が必要な人を発見できるようになりました。しかしまたそこで大きな問題が発生してきました。発見力は高まったのですが、解決力がない…。発見して役所に持っていっても、解決しない、たらいわまし…。 震災から10年間活動したのち、新たな10年として今のCSWがあります。窓口一本で、地域の相談を受けます。ご近所とのトラブル、ごみ屋敷、障害の人、高齢の人…なんでもつないでください。そこから行政につなぎ、行政で解決できない問題は市の課長級の人たちの会議に提案して解決していく仕組みをつくっています。 その仕組みの最初の取り組みがごみ屋敷でした。約270件を市役所と地域の人たちと一緒に解決していきました。そのあと地域での見守りがあるので、再発していません。平成18年に孫を連れて行方不明になった人がいて、そこから徘徊SOSメールをつくりました。今は約700人見守っています。「行方不明になった」と連絡が入るとメール配信してさがします。行政からは「個人情報は出せない」と言われましたが、探すのに苦労した家族でつくる「介護者の会」メンバーの「そんなこと言っていられない。出す情報の範囲は家族で決めればいい」という意見から個人情報も出せるようになりました。このような積み上げのなかから仕組みがつくられます。豊中の地域活動はSOSを出せない人と向き合うこと、お付き合いから踏み込んでSOSを出せない人を発見するという方向へ向かっています。ここには女性の感性がいかされています。 介護に直面して、働けなくなる男性もいます。また20~50歳代の引きこもりの若者の問題も深刻です。社会がやさしくないので働けない、働く場所がない。今、約2300人いるといわれる豊中の引きこもりの人のうち約200人の相談を受けています。約60人が居場所まで出てきています。漫画や本を書く、新聞配達、農家の手伝い…それらを体験しいきいきと変わっていく。そのなかでCSWを漫画に描いてくれた子がいて、それがドラマ『サイレント・プア』のきかっけでした。彼らの力が世の中を変える大きな力となっています。


3、グループワーク「わたしの居場所、わたしの出番」 会場風景

伴野さんは30年近く福祉にかかわり「地域に育てられた自分がいるから、PTA活動を通して地域にご恩返ししている」と活動を続けています。伴野さんをファシリテーターに、「わたしの居場所」「居場所ってなんだろう」「これからつくりたい居場所、こんな居場所があったらいいな」をグループで話合いました。 「自分の居場所」として「安心できること」「自分を認めてもらえる場所」「すてっぷ登録団体での活動」 会場風景 などがあげられました。「これからつくりたい居場所」として「フリートークカフェ」「困っている人の役に立つ」「自分のおもいを発信できる」などがあげられました。参加したみなさんの活動、体験、思いを語り合い、「居場所」について考えることができました。
すてっぷ登録団体、市民団体による展示もありました。

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