H.Kさんロールモデル No.6
H.Kさん

1978年生まれ。夫、子ども1人(3歳)。豊中市本町在住。
勤務先:大手IT企業(大阪支社に勤務)
雇用形態:正社員
産休および育休期間:子どもが1歳1カ月まで

早い段階からの将来設計と着実な歩みでキャリアを築く

中学時代からパソコンには触れる機会が多かったせいか苦手意識もなく、進むべき道として自ずと高専を選択した。卒業後は教師の勧めもあって、四年制大学の情報系工学部3年への編入を果たし、より専門的なプログラミングを学んだ。卒業研究では学習の過程をまとめて発表するというカリキュラムがあり、プレゼンテーションの技術も自然と身に付いていた。これが、後のシステムエンジニアとしての仕事にとても活かされることにもなった。

今の会社に入社したのが2001年、2005年に結婚、2009年に出産した。育児休業は延長することもできたが、保育所が決まっていたので、子どもが1歳1カ月の時点で職場復帰した。当時、夫は、出産を機に退職をしてほしいと考えていた気配もあった。しかし、新入社員だった頃の上司が、子ども2人を育てている女性の上司で、「おお、すごいな~」といつも眩しく感じていたから、迷うことなく自分もその後に続いた。今思えば、そういう先輩のモデルケースが、働き続ける選択をする要因にもつながっていた。

任されたプロジェクトの始動時期に妊娠がわかる

自分自身が初めて稼働までを取り仕切る8カ月のプロジェクトを担当することになった際、それと前後するように妊娠が分かった。でも、迷うことなく臨月近くまで普段通りの勤務をこなした。その後、産休に入ってしまったので本稼働に立ち会えなかったのが心残りではあったけれど、その直前までは大きなお腹で頑張った。体調も良く、同僚も取引先も温かくサポートしてくれたので、無理なく継続することができた。

産休中、「本稼働しました!」という会社からの連絡が本当に嬉しくて、達成感でいっぱいになった状態で出産を迎えることができた。だから、早く復帰して、また仕事を頑張ろうという気持ちにもなっていた。代替要員こそ配置されなかったが、同僚が業務を引き継いでくれたので、自分が産休に入っても業務が全然回らなくなるという状況ではなかったし、職場の雰囲気も、産休・育休から復帰するのを大歓迎という対応であったことがとても心強かった。

両立には夫の協力や社会とのつながりが必要

育休中は、同年代の子どものいる女性との"愚痴大会"で随分と気持ちがラクになった。また、豊中市主催の行事にも積極的に参加したことで、同じ環境や境遇の人たちとの交流ができ、大いに育児の助けになった。

保育所は通常18時半まで、最長は19時まで預かってくれる。実家が遠く頼れる人が近くにいない。たまには20時頃まで残業になることもあるので、そこは夫と調整してなんとか乗り切っている。社内保育所は関西にはないが、通勤ラッシュの電車に同乗させることは考えられないので、保育所は自宅近くが望ましいと思っている。朝は毎日、「保育所、行きたくない」とか、「この服は嫌」とかぐずるから心も揺れるが、自分自身は社会の一員であるという意識の中でずっと働き続けていたい。仮に専業主婦で子どもと2人きりだと思うと、やっぱりちょっと気が滅入ってしまう気がする。「誰々ちゃんのお母さん」「誰々くんの奥さん」とかではなく、一人の人間っていう、自分だけの世界が必要だと思っている。趣味の延長線で、スクラップブッキング講師の認定資格を取得するなど、着実に活動の幅も広げている。

いまのところ、ファミリーサポート制度はまだ利用に踏み切れていない。今後利用するかもしれない学童保育の時間帯には漠然とした不安もある。だが、小学生までは短時間勤務が可能だから、この先もなんとか両立はできると思っている。ただ、二人目、三人目と子育てしながら働き続けることが自分にできるのかどうか、この点はこれからの検討課題だと考えている。

ダイバーシティを推進する働きやすい職場環境

職場には、女性が出産後も働き続けることについて「当然のこと」という雰囲気がある。上司も「うちの会社って、子育てしながらでも働きやすい?」と聞いてくるし、「子育てしながら働くための、そういう何かいいモデルになってくれたらいいね」とも言われている。最近、職場の後輩で結婚した女性が数人いる。もしかしたら自分自身がロールモデル的な存在と映っているのかもしれないと感じる時もある。将来的には、子育てを活かした視点で新ビジネスを企画できればよいと考えているし、今の会社で働き続けて、段階を踏んで昇進とか昇格とか、それなりの責任ある立場に立つことも少しずつ思い描き始めている。

会社では、全女性社員に「女性便利帳」という冊子が配布される。例えば、出産にあたって自分がこんな制度を使えるとか、女性特有の病気のことなどあらゆる情報が掲載されている。育休中も、申請すれば会社のメールを携帯から閲覧できる仕組みもあり、安心して復帰に向けて過ごすことができた。

ただ、女性が働き続けるためのサポート体制は充実しているが、男性の育休はゼロに近い状況である。このあたりが社内的には今後の課題なのかもしれない。

働き続けたい女性へのメッセージ

人生は挑戦。仕事でも生活面でも「絶対できない」という限界を意識しない方がよいと思う。頭の中でいろいろ考えるより、取りあえずやってみる。やってみたら意外とできることも多いものだ。まず一歩を踏み出してみることが肝心だ。また、自分が働いているからこそ、夫や子どもと常に対等な関係で自立的に接することができるし、普段離れていることで逆に密なコミュニケーションがとれ、関係性を良好に保つ秘訣になっていると思う。

(インタビュー 2012.12)

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