ロールモデル No.8
I.Mさん

1980年生まれ。夫、子ども2人(6歳・3歳)。豊中市在住(千里中央)。
勤務先:大手通信業(大阪市内の支店)
雇用形態:正社員(営業職・主任)
育児休業取得期間:第一子は1年間、第二子は2年間。

営業職一筋で12年目

入社以来、一貫して営業職。外回りと内勤の半々での忙しくも充実した日常を送っている。4年目に同僚と結婚、6年目に第一子を出産と比較的早かったため、関西圏内での支店間転勤の経験は何度もあるものの、まだ転居を伴う転勤は経験していない。しかし、子どもの小さい現在は会社も考慮してくれるようだが、総合職なので将来的には自分自身が単身赴任を命じられることもあり得るのではないかと思っている。

現在、時短勤務を利用中で16時まで。通勤には1時間要するので帰宅は早くて17時。それから保育所へ迎えに行くのが日課となっている。妊娠前は毎日残業があったが、逆に今は残った仕事は自宅に持ち帰ってこなしている。近所には頼れる親族はいないから、子どもの病気の際は自分が休むことになる。

時短勤務利用者の多い職場が働きやすさにつながっている

社内には妊娠したら辞める風土が昔はあった。しかし、会社の合併を機に、時短勤務や時差出勤の制度ができ、とても女性が働きやすくなった。もともと出産での退職が多かった職場だったが、いまは、ほとんどの女性が育児休業のあと復帰してくる。

支店の従業員数は約30人で、うち女性は3割程度。そして現在、時短勤務利用の女性が全7人いて、そのうち同じ部署には4人もいる。これがとても心強い。誰かが育児休業に入ったら、他の誰かが復帰してくるというような好循環が自然と生まれていて、代替要員が投入されることはほとんどない。工夫して効率よく取り組めばなんとかなるものだ。

子育てと仕事、揺れ動く気持ち

女性の役職者は課長までが多く、部長職となると全社的にも少ない。昇進や昇格は試験と評価で決まる。女性の中には責任のある管理職という立場を望まない人もいる。長時間労働につながることもあるので躊躇するのが一般的だ。

自分自身も、小学校の入学説明会等に参加した際、他の母親の話を聞くにつけ、両立できるかどうかの不安が増す。学校行事は平日にある、習いごとの送り迎えは厳しいかも、と考えてしまう。保育所時代は比較的両立しやすいが、学童保育となる小学校に入ってからが大変だと。学童は4年生まで、そんな中でも自分はずっと働いていてよいのか? という気持ちが芽生えてくる。一方で、いったん辞めると正社員には戻りにくい… そんなことを毎日考え、いま葛藤の中にいる。機会があれば、もっと子どもの年齢が上の人の経験談を聞いてみたい。

時短勤務は1年生までなので、そこから先の制度が会社に欲しい。できることなら小学6年生までは時短勤務を利用したい。そうすれば定年まで働き続けたい人にとっては大きな助けになるだろう。皆で会社に提案もしていきたいと考えている。

職場での男女平等感は高いが、日常の言動に傷つけられることもある

子育て中の女性に対する見方に関しては、制度や仕組み、表向きの理解はあるものの、実は、男女問わず同僚からは「早く帰れて、いいよな~」という視線や言葉があるのも事実だ。時短勤務者は内勤職に優先的に転向できることから、すでに内勤枠が時短勤務者で埋まってしまっていて、ほかの人が内勤職への転換ができにくいという現実がある。

自分自身は営業職に魅力を感じていて、あえて内勤を希望していない。もっと営業の面白さを他の女性たちにも解ってもらえたら嬉しい。確かに目標達成には努力が必要だが、時短勤務の自分でも営業成績が上位になる月が結構ある。やり方次第、工夫次第でやりがいと達成感を味わえる。営業に必要なコミュニケーション能力は子育て経験と通じるものだと思っている。

地域で、ネット上での情報収集が役立った

ファミリーサポートはよく利用する。もちろん預かってもらうのだが、産休中に自分で預かることもしていたし、現在は時短勤務なので、たまに預かることもある。今思えば、このネットワークが情報収集源として機能した。特に同じマンションの人同士でペアになると安心感もあるし、新たな友達もできる。

また育児休業中は、上司から3カ月に1回連絡が来るというシステムもあった。さらに、復帰までの支援プログラムとして、いろいろな情報が会社から送られてきた。ネット上のコミュニティもあったので、特に一人目の時は情報交換に使えたことがとても助かった。

地域の子育て支援センターのイベントにもよく参加した。ただ、育児休業中のママだけを対象とした催しがもっとあれば、同じ境遇で共感し合える機会になったかと思う。保育所に預けて復帰予定のママたちと知り合うチャンスが少なかったのが残念だった。出産後の方向性が違うと、どうしても分断される気持ちになったからだ。

今後だが、今の会社でずっと働くかといえば、それはわからない。実は他にやりたいことがあって、趣味や資格を活かした独立志向が高まってきている。その実現に向かって、いまは必要なスキルを磨きつつ、仕事や地域での人脈と経済基盤を固めていく時期だと思っている。

働き続けたい女性へのメッセージ

なんとかなるから働くことを続ける選択をしてほしい。職場もすべては人間関係からだと思うので、表現の仕方は大切だが、できるだけ声をあげればなんとかなるものだと実感している。

二人目出産後からは、夫も家事や子育てに積極的に協力してくれるようになった。主体的にとはいかないが、自然と協力せざるを得なかったというのが正しいかもしれない。

女性が出産後も働き続けることはまだまだ当たり前の時代にはなっていないが、きっと続けていて良かったなと思える時が来る。効率よく工夫していくことも大切。たとえ前例がない会社であったとしても、家族の理解が得られない状況であったとしても、自分自身で切り拓いていくことができるものだから。

(インタビュー 2013.2)

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