ニュースレターを発行しました

「平成23年度地域における男女共同参画連携支援事業」(内閣府助成金事業)
とよなか女性防災プロジェクト

『とよなか女性防災プロジェクト』ニュースレター 第3号

2012年(平成24年)1月6日発行

『とよなか女性防災プロジェクト』 第3回検討委員会を開催しました

委員会概要

第3回検討委員会の様子
  • 日時:2011(平成23)年12月9日(金曜日)14時~16時
  • 場所:とよなか国際交流センター 会議室2
  • 出席者数:17名
  • 内容:講師のお話、検討委員からの意見
  • 講師:山﨑裕子(松江市防災安全部 防災安全課 防災安全係)
  • 検討委員会 出席団体

 

■山﨑裕子さんのお話 『女性の視点でつながりを広げ継続する』

松江市は島根県の県庁所在地、人口約20万人、開府400年を迎えた国際文化観光都市である。松江市地域防災計画に基づく防災体制の充実を目指し、2008(平成20)年に「女性の視点による防災対策検討委員会」を設置。自主防災隊の結成促進にも力を入れ、平成20年は結成率36.3%であったが、東日本大震災後の現在は58.5%となっている。女性で組織された消防隊カメリア隊は2011(平成23年)の全国女性消防操法大会において全国44隊中の10位入賞(優良賞)という成績を収め、また法吉(ほっき)地区においては公民館を中心に災害時における支援体制づくりが進むなど、市民の防災意識の高まりを見せている。

1.「女性の視点による防災対策検討委員会」について

松江市は2007(平成19)年に男女共同参画計画を改訂し「政策・方針決定過程への男女共同参画の推進」を基本課題とし「避難所の運営方法等の各種災害対策における女性への配慮等、地域防災計画及びその推進に女性の意見を反映できる体制を作る」旨を明記した。平成20年、国の中央防災会議において防災基本計画が修正され、災害時要援護者としての女性の視点による防災対策について検討する必要性を認識し「女性の視点による防災対策検討委員会」の設置に至った。

検討委員会を4回開催し以下の4点について意見交換した。「女性の視点に立った家庭・地域での防災対策及び防災活動の在り方に関すること」「女性の視点に立った避難所運営の在り方に関すること」「女性の視点に立った物資の備蓄に関すること」「その他、女性の視点に立った防災対策に必要なこと」
●第1回→委員会設置趣旨及び松江市の防災体制の説明、災害時の問題点について(避難所、DV,児童虐待等)。
●第2回→更なる問題点を洗い出し、今後の対策と方向性を検討。その後、清原桂子さん(兵庫県理事)を迎え防災安全講演会「男女共同参画の視点を取り入れた防災体制について」を開催した。
●第3回→報告書案を事務局で作成し、その案を協議。「過去の災害から見直すべき事項、必要なこと、具体的な方法」「女性の能力をいかし地域で活躍できる環境整備の必要性」を検討。松江市の関係機関、消防団、警察署、商工会議所、関連団体へ提言した。
●第4回→最終報告書案の協議。「過去の災害時の反省から見えてきた問題や課題を基に避難所設営や備蓄品等、女性の視点から配慮に欠けていた事項、見直すべき事項」「女性を災害弱者としてだけとらえるのではなく、女性の能力をいかし地域で活躍できる環境整備等、女性のあらゆる場への積極的な参画の必要性」について検討した。

2.検討委員会の成果

「女性の視点による防災対策検討委員会」の報告書作成にあたり、大きく以下の3点にまとめた。①家庭・地域での防災対策及び防災活動について→女性参加による防災訓練、学習会の実施。女性の能力をいかし消防団や自主防災組織の活性化を図り、企業、福祉施設等との連携を進める。②避難所運営の在り方について→避難所運営委員会には男女両方の責任者を配置。女性や乳幼児等に配慮した避難所機能(居住スペース、通路、男女別の更衣スペース、授乳育児スペース、性別に配慮した洗濯物の干し場等)の確保。性別に偏らない避難所運営。相談体制の充実等。③物資の備蓄に関すること→必要なものを最低3日分は備蓄しておくことを市民に啓発。

この検討委員会の報告書を市長へ提出し、松江市防災会議のなかで以下の5点を松江市地域防災計画に反映していった。
(1)男女のニーズの違いに配慮した計画策定の推進
(2)事業所との連携により地域防災力の強化を図るための制度構築
(3)女性の自主防災組織役員への積極的な登用促進
(4)女性の防災教育の充実
(5)男女双方の視点に立った避難所運営及び備蓄物資。 (※「女性の視点による防災対策検討委員会」報告書 参照→ http://www1.city.matsue.shimane.jp/anzen/bousai/joseikentoukai/joseikentouiinkai.html

3.松江市の「女性と防災」に関する取組みと課題

松江市の取組みとして
(1)防災部局への女性職員配置(それまで女性職員はゼロ)
(2)「女性の視点による防災対策検討委員会」設置
(3)女性の消防隊増員(現在カメリア隊32名が活躍中)
(4)松江市地域防災計画の一部改訂
(5)研修会開催
(6)関係機関(社会福祉協議会等)との連携
(7)物資の備蓄開始
(8)避難所運営マニュアルの作成等があげられる。

現状は、2008(平成20)年度から女性職員を1名配置し、物資の備蓄開始、研修会の開催、避難所運営マニュアルの運用をしている。防災訓練は、参加者のほぼ半数は女性だが参画しているかどうか難しいところ。政策方針決定における女性の参画は、松江市では毎年1回防災会議を開催し、委員の57名中、女性は8名となっている。

今後の課題として、市民への研修会開催(意識啓発)、女性の防災教育の充実、女性の自主防災組織役員への積極的な登用促進、男女双方の視点に立った避難所運営、物資の備蓄及び防災に関する政策策定の推進等があげられる。継続していくためには、無理のない取組みが大切だ。市の講習会に女性の視点を当たり前のこととして入れておく。備蓄品の「哺乳瓶、乳首、生理用品」という言葉を男性職員が口にすることに市民は驚きがあった。これを当たり前のこととする施策推進が必要。男女共同参画だからということではなく、当たり前のこととして市民の意識を変えていくことが重要。また、何事も平常時からやっておかないと災害時にはとても機能しない。平常時から継続できるシンプルな取組みが大切だ。

4.公民館を中心とした地域活動との連携

松江市法吉地区では公民館と社会福祉協議会等が連携し「災害時における地域での助け合い事業」によって会員を募り支援体制づくりに取り組んでいる。「おねがい会員」は一人暮らしの高齢者、障害者等、「まかせて会員」は近所の人、民生児童委員等。現在、「おねがい会員」が150名、「まかせて会員」が220名。一人のおねがい会員を、複数の会員で支える。支援内容は、災害時の安否確認と避難所への誘導、平時の声かけと見守り。あくまでも善意により困っている人を支援するもので、責任を課すものではない。期待される効果は、災害発生直後に地域支援力を確保でき共助の大切さを確認できること、地域住民の福祉活動の「場」となっていること、近所で支えあう関係づくりができることにより地域コミュニティが復活することがあげられる。

うまく進んでいる要因としては、複数の支援者の存在により支援者個々の負担が軽減、平素からの声かけ、女性館長を中心とした継続への積極的な働きかけ(研修、訓練、見直し、見守り)、支援者と要援護者を地域全体のネットワークで支え、「おねがい会員」「まかせて会員」というソフトなネーミングでソフトな関係づくりを築く他、公民館を中心としたなごやか寄り合い事業、ボランティア養成、団塊世代の地域デビュー支援等活発な地域活動をしていること等があげられる。この地区では住民の参加意識も高く「地域のボランティアに参加したい63%」「参加したいが時間的余裕がない33%」というアンケート結果もでている。

5.地域の安心安全は地域でつくる

地域の安心安全は地域で取り組む。自助、共助、公助とあるが、公助だけに頼るのは限界がある。災害時には普段していることしかできないことを認識し平常時から地域とのつながりを持ち、訓練することが大切。阪神・淡路大震災での死者は男性42.5%、女性57.5%と女性が多く、高齢者が多い。災害時には女性の労働負担が増加し、女性への暴力が増加することも事実。 

女性は災害時には厳しい状況に追い込まれがちだが、日々の暮らしを担う生活者として、それを切り抜ける知恵や回復力を持っている。状況に即対応し、堂々めぐりの議論よりまず行動しようという能力を持ち、肩書きにとらわれないヨコの人間関係、個人と個人の信頼関係に裏打ちされたネットワークを紡ぐ能力もある。豊中市の女性にも、女性ならではの能力を発揮することで、松江市が見習いたいと思えるような事業を展開してもらうことを期待している。

■参加者からの意見

「豊中は後継者を見つけるのに苦労している。松江市の消防隊は若い方も多く世代間連携がスムーズにいっている地域だ」「生協は豊中市民の約半数を組織化している。この民間の力を災害時の安否確認などに組み入れてもらうこともできる」「松江市は福祉も進んでいると聞く。防災が活発なら福祉も活発。コミュニティの基本がしっかりできている」「検討委員会参加団体各々の防災への取り組みを知っておけば、もっと活発な議論ができた」?

主催

財団法人とよなか男女共同参画推進財団
〒560-0026 大阪府豊中市玉井町1-1-1-501
TEL 06-6844-9773 FAX 06-6844-9706

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