「女性の視点」の防災とは

男女共同参画とは、男女がともに個人として尊重され、あらゆる活動においても、とりわけ意思決定の場面に参画する機会を確保することを意味します。それは、さまざまなくらしの背景を持つ人々が、自分らしく生きることができる社会をつくっていくということそのものです。

そして、防災対策・被災者支援は、多様な立場の市民の存在を前提に取り組まれる必要があります。したがって、地域防災に女性の視点を取り入れることは、被災者支援上、不可欠なのです。

特に、多様な立場の中でも人口の半分、要援護者の半分を占め、日常生活そのものや要援護者のケアにおいて重要な役割を果たしている女性たちが、防災政策の方針を決定する場や、地域の防災活動の場、あらゆる災害支援活動において、リーダーシップを発揮できるよう、平常時から参画の機会をしっかりと確保しておくことが、決定的に重要である、との立場に立っています。

とよなか女性防災プロジェクト2011

とよなか女性防災ノート表紙 内閣府による「平成23年度地域における男女共同参画連携支援事業」により、「とよなか女性防災プロジェクト2011」運営事業を実施しました。豊中市内の公共団体、公共施設、教育機関、市民団体等と連携し、女性の視点をいかした豊中の防災について3回の検討委員会を開催し、「とよなか女性防災ノート」の作成、「とよなか女性防災キット」の企画をしました。

女性の視点で防災を考えた「とよなか女性防災ノート」(4,969KB/PDF)

とよなか女性防災プロジェクト2014

大阪府豊中市は、阪神・淡路大震災で被災し、活断層もあり、今後も、震災にみまわれる可能性も大きい地域といえます。豊中市危機管理室や豊中市消防本部を中心に、防災について日々努力はなされていますが、女性の参画や女性のニーズへの配慮はまだ十分とはいえません。2013年5月に「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」(内閣府男女共同参画局)が出され、その指針を実現するために女性の視点をいかし女性の声を届ける仕組みをつくることが、男女共同参画推進センターの果たすべき役割といえます。

すてっぷでは「とよなか女性防災プロジェクト 2014」(内閣府による「平成26年度地域防災における男女共同参画の推進事業」)として、「女性と防災を考える会」による「女性と防災に関する提言書」の作成、「とよなか女性防災ノート PART II」の作成、女性と防災を考えるシンポジウム、ワークショップ、映画上映を実施しました。

「とよなか女性防災ノート PART II」を作成しました

とよなか女性防災ノート2表紙とよなか女性防災ノート PART II 表紙画像「とよなか女性防災プロジェクト 2014」をまとめた8ページのパンフレットです。地域の避難所運営マニュアル作成に活用できる「避難所運営マニュアルに記載する文案チェック機能付き」です。豊中市危機管理室発行の「豊中市避難所運営ガイドライン」と併せてご活用ください。

とよなか女性防災ノート PART II(5,934KB/PDF)

ドキュメンタリー映画「うたごころ2012」上映

映画「うたごころ」チラシ東日本大震災の被災地・宮城県南三陸町を舞台に、津波で親類5人と自宅を失った女性高校生や家族、友人たちのひたむきに生きる姿を描いた作品を上映しました。
(2012年12月13日(土))

・映画「うたごころ」シリーズ公式サイト

「女性と防災に関する提言書」を市長へ提出しました

提言書提出時の写真

淺利市長に提言書を提出

2015年1月15日(木)に「女性と防災を考える会」委員のみなさんとともに、市長へ「女性と防災に関する提言書」を提出しました。提言の基本的な構成は (1) なぜ女性視点が必要なのか、基本的な考え方、(2) 豊中市への要望、(3) とよなか男女共同参画推進センターの位置づけ・役割について、(4) 市民として取り組むべきこと、です。

女性と防災に関する提言書 表紙画像提言をまとめる過程では、地域で先進的に自主防災や市民活動に取り組んでいる12団体を代表する12人の委員で「女性と防災を考える会」を結成し、委員の経験や知見から学びました。この「女性と防災を考える会」を発展させ、豊中市防災会議のもとに女性部会の設置を提言しました。女性部会の代表が防災会議に出席し、防災計画全体を提言の趣旨から検討する役割を担うことが、今回の取り組みを地域に広げていくものとすることだと考えます。

「女性と防災に関する提言書」(8,301KB/PDF)

女性の意見が豊中市の防災施策(豊中市地域防災計画)に反映されました

「女性と防災に関する提言書」(下記参照)の一部が、2015年3月に改訂された豊中市地域防災計画に反映されました。意思決定の場に女性の意見を届け、豊中市の防災施策に女性の視点を入れるという成果をあげることができました。

「豊中市地域防災計画」に反映された内容
  • 防災ビジョンの実現に向けて
  • 被災者の安否照会への対応
  • 避難所の運営
  • 女性や子育て家庭のニーズへの配慮
  • すてっぷの役割
「豊中市地域防災計画」に掲載された文面

■第4節 防災ビジョンの実現に向けて 今後地域における生活者の多様な視点を反映した防災対策の実施により地域の防災力向上を図るため、防災に関する政策・方針決定過程及び防災の現場における女性の参画を拡大し、男女共同参画の視点を取り入れた防災体制を確立する必要がある。
■第2 災害広聴対策
4.被災者の安否照会への対応 被災者の安否について照会があったときは、被災者等の権利利益を不当に侵害することのないよう配慮しつつ、災害発生直後の緊急性の高い応急処置に支障を及ぼさない範囲で、可能な限り安否情報を回答するよう努める。なお、被災者の中に、配偶者からの暴力等を受け加害者から追及されて危害を受ける恐れがある者等が含まれる場合は、その加害者等に居所が知られることのないよう当該被害者の個人情報の管理を徹底するよう努める。
■第3 避難所の開設・運営
2.避難所運営
(1)運営  避難所の運営は、初期段階では市職員等が中心となって行うが、清掃、衛生管理、雑用水の利用、電話呼出し等について、避難者による自主的な運営を促す。その際には、性別や年齢、障がいの有無などによるニーズの違いを把握し、固定的な役割分担にとらわれないようにするため、運営組織の管理責任者には多様な立場の人を配慮し、また役員のうち3割以上が女性となるよう促す。
(4)女性や子育て家庭のニーズへの配慮 市は、避難所の運営における女性の参画を推進するとともに、男女のニーズの違い等男女双方の視点に配慮する。特に女性専用の物干し場、更衣室、授乳室の設置や女性用品の女性による配布、巡回警備や防犯ブザーの配布などによる避難所における安全性の確保、トイレ・更衣室・入浴設備等の設置場所は、昼夜を問わず誰もが安心して使用できる場所を選び、照明をつけるなど、安全に配慮することや、女性相談員を配置した相談窓口の設置など、女性や子育て家庭のニーズに配慮した避難所の運営に努める。
また、とよなか男女共同参画推進センターの役割として、女性相談窓口の開設や、女性支援の情報提供、広報活動、女性支援のためのボランティア、NPOの受け入れ、活動支援を行う。

その他

「月刊 自治研」2017年1月号に掲載されました

2017年1月5日発行の「月刊自治研」(2017年1月号 vol.59)に、「とよなか女性防災プロジェクト」の取り組みが掲載されました。特集「女性リーダーの時代へ向けて」の中で、とよなかの女性が、防災活動に取り組んできた経緯や成果をまとめています。

月刊自治研 公式ホームページへ
2017年1月号の「今月のちょっと試し読み」で記事を読むことができます。