ロールモデル No.2 白川 真由美さん

1976年生まれ。夫、子ども1人(4歳)。箕面市在住。
勤務先:インターネット通販業(豊中市)、従業員数12人
雇用形態:正社員(週4日勤務)
育児休業:満1歳まで取得

すべての仕事が点から線へとつながっていく

芸術大学の彫刻科を卒業。何か物を創って暮らしたいと思い、彫刻と似た立体的な花の世界をめざし、花屋でアルバイトしながら花の学校に3年間通った。その後、現在の会社に正社員で入社、在職中にフランスへ短期留学してディプロマ(フランスでは花屋をやるのに国家資格が必要)を取得した。しかし、しばらくして会社を退職した。海外に小学校を建てる活動をしている団体のNPO化に関わるためだった。ホームページを独学で制作し、ボランティア募集や民芸品販売にチャレンジした。結果的には、このときの経験が後に手掛けることになるネット通販の仕事に大いに役立つことになった。生活費を補てんするため、テレビ通販の受注コールセンターのアルバイトをするダブルワークの日々を経験した。そこでは、クレーム対応や通販の仕組みを学び、迅速さ・丁寧さ・質の高さを常に意識して業務を行った。なんと、アルバイトにして指導係にも抜擢された。

立ち上げが落ち着いたのを機にNPOを退職したが、そんな折、元の会社の社長より、ホームページが作れるのであればと誘われ、正社員として元の会社に再就職した。NPOでの経験を活かしてインターネット通販の立ち上げに携わり、当初は月5万円しかなかった売上を月1,000万円にまで伸ばすことができた。

あちこちと寄り道こそしたが、その時その時を一生懸命やっていると、すべての仕事が点から線へとつながっていくのだとその時に実感した。現在は、ホームページの企画・運営、後輩の教育・指導等をこなしている。

仕事への信念が確立した瞬間

商工会議所の勉強会、ネットショップ通信講座等いろいろな勉強し経験することで、自分の引き出しがどんどん増えていった。そして、その引き出しを知らず知らずに開けて使っていた。できる限りのことをやっていたら結果が後からついてきた。ある時、在庫過多になっているアイテムを売りたいと思って社長に進言したが、「クレームになったら困る」という理由でいったんは反対された。しかし、ここはやってみようと思い直し自分の判断で販売したところ、結果的にすごく売れて今では主力商品となった。これが転換点となった。会社にとってプラスになると真剣に考えた結論なら、たとえ反対されても先ずは周囲を説得し、実行するべきと考えるようになった。

育児休業からの復帰、夫への挑戦

妊娠がわかってからは、仕事をひとつひとつ同僚に渡していったので、混乱はなかった。育児休業中は、社会との接点がなくなり取り残された気持ちにもなった。外出できないストレスも溜まり、このままではいけないと感じていた時、また社長から「週に1~2回子どもを連れて来ていいから、後輩にアドバイスしてあげて」と声をかけてもらった。小さな会社の特権だと思うが、乳児用ベッドを抱えて職場に通った。そんな日々が気分転換になったし、仕事を忘れないということにつながっていった。

子どもが1歳になった時に職場復帰した。しかし、家事育児をしながらの週5日フルタイムは想像以上にたいへんで限界だった。精神的な余裕が全くなくなってしまった。しばらくして社長に直談判し、制度もない職場だったが正社員待遇のまま週4日勤務に変更してもらった。

夫に対しては協力を強く訴えた。「洗濯か掃除か料理か後片付け、どれかをやってほしい」と要求したら、「できそうな洗濯と後片付けにする」と。多少の不備には目をつぶって、任せたことはとりあえず「ありがとう」と感謝を伝え続けた。夫もそれが自分の役割という意識を持つようになった。いまでは洗濯物もシワを伸ばしてから干すようになったから驚きである。子どもが熱を出して保育園に預けられない時は、近くに住む母親にも手助けしてもらった。また、職場では、同じように働く母親が何人もいるので、互いにフォローし合う関係で、みんなで働きやすい環境にしようと話し合っている。

たぶん、子どもが大きくなるにつれ子育てに費やす時間は確実に少なくなるだろう。また独身の頃のように自分が働きたいように、やりたいことができるようになっていくのではないかとワクワクする。将来は独立して、自然の豊かなところに住みたい。インターネット通販なら全国どこでもやれる。今やっている仕事がその準備となっているのかもしれない。

働き続けたい女性へのメッセージ

子どもを産み育てるということは人の助けが必要で、一人で全部背負込むと潰れてしまう。公的機関も頼って、自分の時間をしっかり持ってほしい。いったん離職してしまうと、よほどの資格や経験がないと同じ待遇で戻ることは難しい。経済的自立と子育てとの両立は大変なことだが、仕事を通して自分が成長していくのはすごく面白く、大事なことだと思う。自分の幸せのために、働き続けてほしい。

(インタビュー 2012.11)