書籍名 | 461個のおべんとう |
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著者 | 丸山 智 |
出版情報 | 朝日新聞出版 2020年 |
請求記号 | 913/マ |
この本は、2020年に上映された映画が小説化されたもので、原作は渡辺俊美さんの『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』という本です。
ミュージシャンの父とカフェで働く母と息子の虹輝の3人は、坂の上の家で暮らし、庭には虹輝と同い年のオリーブの木(「こうきのき」)が大切に育てられていました。
虹輝が小学5年生の時、母は仕事に専念するため家を出て、父と2人暮らしになります。
虹輝は母が持って行った庭のオリーブの木の抜かれた穴と自分の心にあいた穴を重ねますが、親に離婚の理由を問うことなく聞き分けの良い息子として日々を過ごしていきます。
そんな中で高校受験がうまくいかず、1年後再受験することを決めます。
後輩に囲まれながらの高校生活を覚悟した息子の姿に、父は毎日おべんとうを作ること、息子は毎日高校に通うことを約束します。
高校生活の不安や父への反発がおべんとうを通してゆっくりと解消していきます。その経験が次第に自分の自信となって、大学受験に挑む頼もしい姿になります。
受験を控えたある日「うまくいく気がする」と玄関を出て行くシーンは、461個のおべんとうによって父と子の心が通じ合った場面になっているようでとても印象深く感じました。
ぜひみなさんも読んでみてください。
K.K