10代の妊娠 友達もネットも教えてくれない性と妊娠のリアル 

10代の妊娠
書籍名友だちもネットも教えてくれない性と妊娠のリアル 10代の妊娠
著者にじいろ(性教育講師・思春期保健相談士)
出版情報合同出版 2021年
請求記号367.9/ニ

この本は、元養護教諭で、現在は性教育講師として活動している著者が、子どもたちの悩みに答える形式で書かれています。

妊娠したかもしれないと心配でも誰にも言えず、病院へ行くことも不安がある。ネットで検索しても正しい知識を見分けられず答えが出ない。どうしたらいいのかと今困っている人にとって役に立つ知識が、制度や費用などと合わせて紹介されています。

たとえば、高2女子からの「彼氏がコンドームをつけてくれない」という悩みに対して、著者は「どちらか一方でも妊娠を望んでいない場合、コンドームを使わない性行為はとてもリスクの高い行為です。性感染症のリスクもあります。女性は妊娠や感染症の不安を感じていても、相手には言えない、言っても聞き入れてもらえないという問題もあります。男性が避妊に協力しないのは、性暴力です。」と答えています。著者が行う性教育の講演では、女子に「コンドームは男性器につけるものだから、男子が使うもの、男子が用意するもの、って思ってない?でも、もし相手が、コンドームをもっていなかったり、つけ方を間違っていたり、つけるのを嫌がったりしたら、どうする?自分の身を守るために、いろんな場面を想像してみてほしい」と問いかけているそうです。

妊娠したかも知れない、という悩みに対して著者は「自分がHAPPYになる選択を」と回答し、自分の意思によって自分の身体に関することを自分自身で決められる権利があると子どもたちに伝えています。この本には、人生を守るための性の知識、「産まない」という選択、「産んで育てる」という選択、「産んでたくす」という選択についても書かれています。 自分のことは自分で決めていい、嫌なことは嫌と言っていい、当然の権利についてシンプルに伝えています。

この本にも書かれていますが、日本の義務教育では性交・避妊・中絶を学びません。 大人が知らないことで、相談されても答えられず、性の話をタブー視し、子どもたちの安全や安心を守れないこともあるのではないでしょうか。 性に関するさまざまな選択肢から、子どもたちが自分で選択したと納得できるためには性の知識を持つことがとても重要です。

I.K