書籍名 | 母と娘はなぜこじれるのか |
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著者 | 斉藤 環 |
出版 情報 | NHK出版 2016年 |
請求 記号 | 367.3/サ |
母にとって強烈なタイトルだと思いませんか?
精神科医である著者が著名な5人の女性と、母と娘の関係をテーマに対談している本です。対談者は娘の立場から母をどう見ているかを、素直に語っています。
母による「呪詛植え」という表現で語っているのは田房永子さん(ライター・漫画家)です。呪詛という強い言葉を使ったのは、彼女にとって母の言葉は自分を卑下させる呪いだったからです。母とは、そこまで多大な影響を娘にもたらすのだと驚きました。
一方で「星一徹のような母だった」と語る水無田気流さん(詩人・社会学者)は、特別母を疎ましく思ったことはなかったそうです。斎藤環さん自身も、娘を「人間」として育てることが出来れば母娘問題も生じないのでは?と締めくくっています。
ただ幸せになってほしいと願って育てているはずなのに「こじれる」とは辛い話です。
私にも娘がおり、何か関わり合いのヒントはないものかと手に取った本だったのですが、娘の人生なのに事あるごとに口を出してしまっていたのでは…?私の思う女性としての幸せを押し付けていたのでは…?と振り返るきっかけになりました。
母と娘の関係は切っても切れない強い絆と深い闇があるのかもしれません。母という立場からすると複雑な気持ちになるかもしれませんが、違う方向からの「母」としての自分、「人間」としての自分を見つめ直せる一冊です。
M・H