ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー
書籍名ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
著者ブレイディみかこ
出版情報新潮社 2019年
請求記号376/ブ

著者のブレイディみかこさんは、1965年福岡県生れ、1996年からイギリスブライトン在住で、40代になってからアイルランド人の夫との間に、体外受精でこの本の主人公の息子を産みました。

この本を読むと、イギリスの学校の仕組みや制度がよくわかります。
2010年頃から始まった緊縮財政により貧困格差が激しくなる一方で、そのしわ寄せが子どもたちにもいっています。
また人種の多様性があるのは優秀で裕福な学校で、息子が通う中学校は白人が多く人種差別が横行しています。
人種差別は白人至上主義という考えが多いのですが、今では社会が多様化し、それにより人種差別の構造も複雑化しています。
そんな中学校に息子は飛び込みました。

息子は、2つの国籍と文化を持っており、特に容姿でイギリスだけでなく日本でも人種差別にあいます。
また貧困問題を抱えた友だちができたりして、様々な問題に直面しますが、
いつも母ちゃんに相談して、母ちゃんは一緒になってしっかり考えています。

これはイギリスに住む、一般の普通の家族の物語です。
生活感があふれており、息子が通う学校を通して、マスコミなどで報道されていることよりイギリスの現状を身近に知ることができます。
そこには私の知らないイギリスの一面がありました。
人種差別と貧困格差という問題は、イギリスの学校のみで起きていることではなく日本も直面する問題だと思います。

K.R