書籍名 | これからの男の子たちへ 「男らしさ」から自由になるためのレッスン |
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著者 | 太田 啓子 |
出版情報 | 大月書店 2020年 |
請求記号 | 367.5/オ |
著者の太田啓子さんは、神奈川県で離婚を専門に扱っている弁護士です。
シングルマザーであり、学校に通う息子たちを育てる中で、「男の子の子育ては、女の子の子育てとは違うな」と感じている毎日からこの本を書こうと思ったそうです。
男女の行動や考え方の違いは、「男脳」「女脳」などという科学的根拠のない脳の性差によるものではなく、生まれ育った環境や、社会、学校、メディアなどを通して「男らしく」「女らしく」と刷り込みがかなり大きいのではないかと太田さんは感じています。
例えば、ジェンダーバイアス問題と言われる「男の子だから。男の子でしょ。男の子らしくない。」など直接的にかけられる言葉によって、無自覚に男らしくしなければならないように導かれることです。
これを「有害な男らしさ」と呼びます。
他に、子どもの頃から見るアニメの中にも性差別表現が溢れており、アニメを通してセクハラや性暴力などに対して甘い認識を持ってしまうと太田さんは危惧しています。
男性が生きづらく苦しんでいるのは、「有害な男らしさ」を生んでいる社会に問題があるということが多数紹介されています。
そして、これからの男の子はどう生きていけばよいか、どう社会を変えていけばよいのかが最後に書かれています。
この本を読んで、男性は男性で生きることに苦労しているということ、そして教育や社会の影響は本当に大きいということを知りました。
性差別をなくし誰もが生きやすくするために、一人一人意識を変えることが大事だと思います。
K.R