書籍名 | 超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃 |
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著者 | 荒川 和久 |
出版 情報 | PHP研究所 2017年 |
請求 記号 | 367.4ア |
やっとこのモヤモヤに名詞がつきました。
ソロハラ。
ソロハラスメントの略です。
「理想が高すぎるんじゃない?」
「身の程わきまえて、結婚なんて妥協よ」
「だいたい、男性のいる場所に行ってないでしょ」
はいはい、ごめんなさいね、努力も妥協も足りなくて。
全部、独身者の自己責任ですヨネー。
独身者の
「いいご縁がなくて」
「…したいとは思ってるんですけどね」は
本音をいえば、単なるスルースキルの一つです。
社会課題としておなじみの少子化。
この裏には、非婚化があるのですが
この本は、統計からその実態にせまります。
報道などで「独身者の9割が結婚したがってます」
なのに結婚していないのはなぜなのか?
統計学からそのカラクリも解明。
え!実は、みんなそんなに熱心に結婚したいわけじゃないんだ!!
基本的に、既婚者=マジョリティである日本社会で
独身者の立場から「非婚化」について分析した内容は
「それわかる!」の連続でした。
本文中の「結婚しない男の見分け方」チェックリストに
(女ではありますが)自分があてはまってしまうので
実は、わたしも「結婚したくないのかも」と思いました。
でも、ソロだからって悪いわけじゃない。
非婚化が進んだから家電製品が売れない?ファミリーマンションが売れない?
だから不景気になってるんだ?
いやいや、たとえばソロ男性が使う消費額は
複数人の家族世帯の合計消費額と変わらないこともあるくらいなんです。
ここでも統計学から迫ります。
考えてみれば、ソロ生活だってお金はかかります。
趣味の時間が多く取れるから遊びにも行くし、自分のためにも投資できる。
一人暮らしなら自炊が割高で外食や中食も多いし、住居の賃貸料だってかかります。
日本経済に貢献していないなんて、ウソですよね。
しかし、ここまで言われても、ソロ男女の抱える闇は消えません。
「結局一人でしょ?」という、日々のソロハラに傷つけられまくっているからです。
それを、本文中では、バッサリ言い切ってくれました。
「家族を持てば本当の幸福がわかるよ」という言葉は
「家族も持てないような人間は不幸にしかなれない」と決めつけている!
だって、幸福の形は、みんな違うのです。
そして、最後は、ソロの自立について。
ソロの将来不安のモヤモヤにもバッサリ、です。
ソロだから孤立するわけではありません。
隣近所と仲良くて、友達がたくさんいて、
会社や学校以外の人との付き合いも広がりやすい。
コミュニティには、いくらでも選択肢があるのです。
1人だからこそ、行ける場所や会える人もいます。
家族とソロという形すら、本来は対立するものではなく
多様な生き方のうちの一つなのです。
ソロの人にも、既婚の人にも、読んでみてもらいたい。
みんなが自分らしい生き方に希望が持てる社会にしたいと思いました。
S.F