書籍名 | 介護を仕事にした100人の理由 100歳時代の新しい介護哲学 |
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著者 | 久田恵+花げし舎 |
出版 情報 | 現代書館 |
請求 記号 | 369/ヒ |
100年人生といわれるようになりました。
介護の仕事は離職率が高い、3Kなどと言われていますが、この本にはそんなことを払拭してしまうような、これからの介護に対する期待とそこで働く人の生き生きとした働き方が紹介されています。それぞれの紆余曲折があった中で介護という仕事を選び、いろいろな経験をするうちに介護をするにあたり、何が必要か、介護を必要とする人たちが本当は何を望んでいるのかを考え、突き詰めて行動を起こす姿には敬服します。また、意外にも年齢の高い方の従事者も多く、むしろそのような方の方がより近く寄り添えたりするのかもしれません。
こんなエピソードがありました。ある男性職員が、介護を行う中で男性の利用者が少ないことを知り、麻雀、囲碁、将棋、パソコン、ガーデニングや絵画など、多彩なプログラムを取り入れ、男性が集まりやすいサービス施設を立ち上げたことなどが紹介されています。
編者の久田恵さんがコメントを書かれています。「管理されない事、支配されない事、これって人が求める根源的な欲求です。家にいるみたいに自由な場所、介護施設で暮らす人たち全ての願いかと思います。」(本書引用)人間らしく尊厳をもって生きていくことができたら幸せだと思いました。
一冊の本にまとめ上げるのには3年という時間と、100人の介護職の方にお話を聞くことに多大な労力を有したと書かれていました。そんなたくさんのかたの思いが詰まった一冊です。
H・M