三つ編み

三つ編み
書籍名三つ編み
著者レティシア・コロンバニ
齋藤 可津子∥訳
出版情報早川書房 2019年
請求記号953/コ
3人の女性のそれぞれの立場からストーリーが始まります。
1人目はインドの今は廃止とされているカースト制度の最も低い位置にあたるダリットと呼ばれる身分の出で、名はスミタという女性。スミタは毎朝、上位カーストの家を周り、糞便を素手で回収するという仕事をしています。また学校にも行ったことがありません。

2人目はイタリアで伝統ある毛髪工場で働いている女性ジュリア。経営者だった父が事故にあい、ジュリアが会社を仕切らなくてはならなくなります。経営を続けるにはお金持ちと結婚しなさいと母親に愛のない結婚を強要され、彼女は彼女自身の人生と工場の問題で挟まれ悩みます。

3人目はカナダのシングルマザーで弁護士のサラ。サラはシングルマザーだからといって負けないよう、トップを目指して頑張っていました。そんなサラは乳がんの告知を受けます。治療をするため仕事を休まなくてはいけない、だけど病気のことは誰にも言いたくない。しかし、通院している姿を同僚に見られてしまい病気がばれてしまいます。

住んでいる国も立場も違う3人が、女性だから受ける特有の問題に直面します。ですが、彼女たちは決して負けず、逆境から立ち上がり這いあがってきます。このどん底から抜け出すため行動します。
そして最後には、三大陸にいる出会う事のないこの3人の彼女たちが、タイトルの「三つ編み」のように繋がります。
映画化も予定されている話題作ですので読んでみてください。

K.R