書籍名 | みんなの「わがまま」入門 |
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著者 | 富永 京子 |
出版 情報 | 左右社 |
請求 記号 | 309 /ト |
著者によると、わがままやずるいという感情は、みんなが一緒で平等だという考えから生まれています。
1人1人が違う生活環境の中で暮らしている私たちが、みんな同じように社会でつながることは難しく、何とか「ふつう」を探して、「ふつう」を維持しています。その「ふつう」に沿っていないと、わがまま、ずるいと思われてしまいます。
みんなが平等で同じようにつながれない社会で自然と生まれる「意見」すなわち「わがまま」を簡単に自己中と言っていいのでしょうか?
私たちは、「わがまま」が、セーフなのか、アウトなのかを考えなくてはいけません。
「わがまま」を言う人は、出来るだけわかりやすく、みんなに「わがまま」を伝える。
「わがまま」を聞く人は、聞いた時点では、セーフかアウトかの判断をせず、怒ったりもしない。
その「わがまま」がセーフかアウトかどうかは、みんなが話し合って決めることなのです。
世界の人々に比べ、日本人は「わがまま」を言うのが苦手だという研究結果があります。それは、声を上げると、「わがまま」や「ずるい」と言われてしまうので、声を上げることを我慢するからです。
私は、この本を読んで、何を「わがまま」というのか、考えるようになりました。心の中でいったん受け止め、どのようにすれば解決できるだろうと思うようになりました。
平等ではない社会で暮らす私たちにとって、「わがまま」を言うことはとても大切で必要なことなのかもしれません。
K・H