| 書籍名 | 離婚しそうな私が結婚を続けている29の理由 |
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| 著者 | アルテイシア |
| 出版情報 | 幻冬舎 2020年 |
| 請求記号 | 914/ア |
著者のアルテイシアさんご自身の経験に基づくコラムなのですが、深刻なテーマも独特の語り口のおかげで心が重くなり過ぎることなく読み進められます。特に父親の死の知らせから始まり、警察の事情聴取、葬儀を書いた「毒親の送り方シリーズ」から父の残した借金騒動へと続く流れは、息つく間もなく問題が押し寄せる厳しい状況です。それにも関わらず、時々笑ってしまう文章が挟まれることで、すっきりと前向きな気持ちで読み終えることができました。
夫との共同生活では、夫の意外性のある言動や著者の受け取り方が楽しく、本文に「共通の趣味が一つもないが、それで困ったことは一度もない」とある通り、根本的な部分でお互い支え合えて価値観が合っていることが、誰かと長く一緒にいるための大切な要素なのだと共感しました。
また、今回の本に限らず「差別と男尊女卑は許さない」という著者の姿勢は一貫していて、いつも深く頷きながら読んでいます。2020年10月11日の国際ガールズデーに「Active-Bystander＝行動する傍観者」という動画がYouTubeで公開されました。監督は性教育YouTuberのシオリーヌさん、脚本はアルテイシアさんです。隠し撮りや痴漢など、性犯罪の被害を受けている女性を目撃した時、目をそらすのか行動するのか、傍観者の視点で描かれています。もしその場に居合わせたとしても何ができるかわからない、関わることで大変なことに巻き込まれるのではないかという不安を持つ人もできることがあると気づかせてくれる動画だと思います。こちらもぜひ併せてご覧ください。
F.K