美術業界を蝕む女性差別と性被害
ギャラリーストーカー


書籍名美術業界を蝕む女性差別と性被害
ギャラリーストーカー
著者猪谷千香
出版
情報
中央公論新社 2023年
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記号
704 /イ

ギャラリーストーカーとは、画廊で作家に付きまとうストーカーのことをさし、その多くが中高年男性で、美術大学を卒業したばかりの若い女性作家が狙われていると著者は言います。
「僕がたくさん作品を買ってあげる」などと言って近づき、画廊で長時間の接客をさせたり、性的関係を求めてきたりします。
美術業界はストーカー被害の他にも、ハラスメントも日常的に横行しており、夢を持って入った大学の頃は教授や先輩から、そして大学を卒業してからはギャラリーストーカー、さらに有名作家やキュレーターといったいわゆる立場が上にあたる人からハラスメントがあるそうです。
また美術大学の教授は圧倒的に男性が多く、審査員、美術館の館長もほぼ男性が占めており、こうなると優れた女性作家が成功を収めるのは難しいだろうと述べています。
他にも街中に、なぜ女性の裸婦像があふれているのかという問題も取り上げています。この現象は日本特有のものだそうです。
美術業界は華やかに見えて陰では闇がたくさんあり、男尊女卑で女性差別がまだまだ多いため、はびこっている悪習を断ち切らないといつまでも女性に厳しい世界であると気づかされる一冊でした。

R.K